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人知を超える?タコ滑り台

「昭和レトロ紀行」の撮影で、町田忍さんから教わったことに、全国の公園でみられる「タコ滑り台」、実はほぼ一社により製作されているものだということがありました。そのときもテロップか何かで載せたのですが、正式名は「タコの山」といい、前田環境美術株式会社という会社が、当時の若い芸術家たちを起用して創作され、それが引き継がれたとのこと。確かに、姿かたちは一種類ではなく、おのおのが個性的であることを思い知る。つまり、大量生産品ではない、一個一個が作品であり、公共物としての役割を担う、稀に見る創造物ということになる。

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今日、大井町付近で見かけたこの「タコ滑り台」は、中でも立派。子供たちも完全に魅了され、遊びふけっている光景が微笑ましかった。40年以上の歳月が流れても愛され続ける。そして、誰も真似ができない。こんなビジネスが出来たら、どんなに幸せかと常々思う。その上で、人並みな生活が送れるなら、莫大な財産なんていらない。これ以上の喜びはないだろう。でも、なかなかそんなチャンスにはめぐり合うことはない。

この前田環境美術さんにしたって、おそらく「タコのかたちをした滑り台で、俺たちは日本一になるんだ!!」という決意で、滑り台をつくったわけはあるまい。時代の流れやタイミング、人との出会いとか、社会的意義とか、いろんな要素が重なり合って、唯一無二のものは生まれる。“人知を超える”って言葉があるけど、それはとてつもなく壮大なこと、を意味するのではなく、こういった人間が想定しうることを超えたある結果みたいなこと、と考えるのが、一番適切なんじゃないだろうか。

 

それにしても、本当にうらやましいな。