ひとり旅通信 by ジョワTV

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カナダの優良テレビ番組

しかし、地上波の番組企画って、スタジオに芸能人呼んで過去を暴露させたり、悩みいわせて評価させたりして2時間特番とか、つくづくバカにしてるよね。

「つくる」って行為をまったくしていないというか。

TBSの「モニタリング」っていう番組はまあまあ「つくって」いると思ってのに、最近は仕込みが大半になってきて、やっぱりつまらん。なんかさ、結局、出演者が一番楽しいんだよ、今のテレビって。「どっきり」的な仕掛けをするにしても、仕掛けるのがベッキーだから面白い・・・っていうんじゃだめなんだよ。誰がやっているかじゃなくて、仕掛けを通じて万人が持つ人の温かさとか、ユーモアとか、哀しさとかが伝わらなくちゃ意味がない。

むろん、タレント押しの企画はあっていい。でもタレント、芸能人に依存して、手間をかけてない、その横着さ、既得権益にのかったテレビ屋たちの横柄さがムカつんだよな。タレント=才能、芸能人はその名のとおりいち芸をもっているはずで、もっとやるべき仕事があるだろ、と。

だから観るのはスカパーの「ナショナルジオグラフィックチャンネル」とか、「ヒストリーチャンネル」。ドラマはアメリカ寄りになっちゃう。地上波観てても、なにも得ない、無駄なんだよ、時間の。

 

「つくる」っていう意味では、カナダにすごい長寿番組があります。

知ってるひとは多いかもしれないけど、「Just For Laughs: Gags」っていう長寿番組があって、まあ、一言でいえば「どっきり」番組。一般人をターゲットに、ユニークな企画で「かつぐ」わけ。でも、企画に知恵をしぼってるし、手間をかけている点が日本のチャラい「どっきり」とはわけが違う。

たとえば、シスター姿の女性が通行人を呼び止めて、着替えたいから布を持ってて、と頼む。しばらくして布をとると水着に着替えたシスターがいて、その背徳さ(笑)に呆然とする通行人・・・みたいな他愛もない仕掛けだけど、日本の地上波みたいな芸能人依存型企画じゃないから、リアルで心から笑える。まさに万国共通のやさしさとか、ずるさ、欲望、したたかさ、あったかさ・・・こんなことを見られるのがテレビの良さなんじゃないか。

なかにはけっこうどぎついのもあるけど、この番組のミソは、アメリカじゃなくてカナダが舞台ってこと(放送はアメリカでもしてるようだが)。おおらかで温厚な人柄で有名なカナダ人ならではの反応で、ほとんど激怒したりしない。同じどっきりをニューヨークあたりでかましたら、おそらく事件になっているのでは、、というぐらい、だまされたときのハートフルな反応は世界一なんじゃないか。

Just For Laughs: Gags - Season 9 - Episode 1 - YouTube

 

そういえば、マイケル・ムーア監督のテレビ番組『マイケル・ムーアの恐るべき真実 アホでマヌケなアメリカ白人』で、マイケルがカナダ人の一軒家を次々訪問しては、いきなり扉をあけて、誰も鍵をかけていない、ということを証明するシーンがある。

また、冬の街で役者に行き倒れの芝居をさせて、ニューヨークとトロント(だったか)の二元中継を行い、どっちが先に助けるかを実験する。ニューヨークでは、道端に人が倒れていても、恐ろしいぐらいに全員がスルー。結果、もちろんカナダの圧勝だった。

カナダは「レイプ大国」なんて呼ばれている犯罪率の一面はあるが、全般的な国民性として、お人好しで、温厚な傾向が強いことは間違いないだろう。レイプが多いのも、気弱で人を信じやすいという内面の表れかも。

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かくいうぼくも、大学の卒業旅行でバンクーバーに行った。たしかに、直前に滞在していたサンフランシスコにくらべ、ピリピリしていない、おだやかな空気が流れていたことは確かだった。

またカナダには行ってみたいものだ。